その水溜りの深さは

アンバランス

ふと、今の生活を振り返ってみた。

 

食う寝るに困ることもないし、遊びにも行ける。

今後の進退も考えられるくらいの蓄えはある。

 

でも、どこか不安定だ。

毎日お金のことを考えなきゃならないし、支払うものも少なくない。

 

社会人、というより一人の人間として生きていくギリギリのラインを綱渡りで渡っているような感覚。

 

今渡っているこの綱は丈夫に見えるけど、実は随所に綻びがあって、いつ切れてもおかしくないんじゃないのだろうか。

 

いや、ひょっとしてもう切れてるのかな。

そんな不安を、恐怖を見て見ぬふりをしてここまで来てしまったんじゃないだろうか。

 

俺はいつからこうなったんだろう。

会社が保険や税金を半分も負担してくれることや、健康診断に行けること。

余裕は無くとも、望んだ環境に身を置けること。

生活を支え合える人がいること。

 

そのどれもが当たり前じゃないことに気付くのに、どれだけ時間がかかっただろう。

 

今の俺は人間というより、人間未満の何かというほうがしっくりくるけど、そう思うと楽になると共に、明日に、これからに、少し疲れる。

 

そんな状態になったら俺は、部屋を片付け、キッチンを掃除して、公共料金を払いに行くんだ。

 

作業着のままベッドにも行かないし、電気をつけたままで寝たりもしない。

 

そんな当たり前のことしてやっと、人間としての体裁を保つことが出来る気がする。

ここにこんなことを書くと、また不幸自慢でもしてるんですかと語り掛けてくる自分がいるけど、不幸自慢でも何でもいいからここに書くんだ。

 

こんな生活続けたくない。絶対に抜け出してやるんだ。

そう思い続けられるように、俺はここに書くんだ。