その水溜りの深さは

きっと、これ以外には...

昔の僕にはどんな可能性があったんだろう。

僕の母親は、どんな僕の未来を想像して塾や進学校に通わせたのか

僕の父親は、彼と同じ職業に就く僕を想像したのか

 

今となっては分からないけど、今の僕はきっとそのどれにも該当してはいないだろう。

 

人間は死ぬ。俺も死ぬしお前も死ぬ、親も友達も親戚もみんな死ぬ。

親なんてほとんどの確率で僕より早く死ぬ。

 

ということは、親のなかにいる僕は、実際の僕より早く死ぬ。

死ぬことは確定事項だとしても、死に方や回数やそのタイミングなんかは無限にあると言っていいだろう。

 

なら全ての僕が幸せに死ねる方法はあるのだろうか。

 

医者にも弁護士にもなれなかった僕が、有名大学や大企業で活躍出来なかった僕が、僕に関わってくれた全ての人々のなかで幸せに死ぬことはできるだろうか。

 

僕は性格上、自分をアーティストやクリエイターにカテゴライズすることは出来ない。

カテゴライズするだけのこともしていない。

 

でも、もうこれ以外に上記の問題を解決する術は残されていないようにも思う。

 

大層な思想もないし、大義名分みたいな暖簾も持ってないけれど

まずは目の前にあることをちゃんとしていくしかない。