その水溜りの深さは

happy, holy(shit!),Christmas

イルミネーションはゴミだってことを分からせてくれた。

 

俺の大好きなロックバンドはかつて、嗄れ声を響かせそう歌っていたことを覚えてる。

 

勿論、光り輝く装飾に負けじとその瞳を輝かせ恋人と手を取り合う人達を否定するつもりはさらさら無い。

むしろ羨ましいくらいだ。

ただ、その歌詞がずっと頭に残っている。ただそれだけ。

 

思えば昔から一人でいることにあまり抵抗は無かった。

クリスマスには親にガンプラをねだって、一人で黙々と組み立てていたこともある。

正直な所、「寂しい」と口にすることはあっても、その感情を心の奥底から湧き上がる程に感じたことはあまり無いような気がする。

 

寂しさは弱さだ。

 

少し前までは本気でそう思っていた部分さえある。

 

仮に俺という人間を1つのプラモデルだとしよう。

そのパーツ1つ1つは、プラモを完成させる為に存在しているし、それぞれに役割がある。

だからパーツを失くしちゃいけない。

借り物のパーツなんて以ての外だ。

 

俺にとって、寂しさを埋めることや人の助言に従うことは、パーツを借りるという行為に他ならないことだった。

自分一人で完成させることも出来ないのに。

 

本当に浅はかだったと思う。

 

 

プラモにはマニュアルがあるけれども、自分自身を組み立てるとなると勝手が違ってくる。

 

何をパーツとするかは自分次第だし、何をもって完成とみなすかも自分次第。

 

ここ最近は、組み立てることからすら逃げていた。

気付かないフリをしていた俺にお灸を据えてくれたのは、大切な友人たち。

 

少し前の自分だったら、己のプライドを優先して耳を傾けなかった言葉達だったかもしれない。

今は、それは借り物なんかじゃない、俺が受け取ることが出来たプレゼントだったと思える。

心して組み込んでいこうと思う。

 

1/1スケール、時間はかかるが、完成させたい。

この数日間はそれを再確認出来た貴重な時間だった。

 

明日からまた仕事が忙しくなる。

今度はパーツを失くさないように、ここに記しておく。

 


罰当 - was good day【MV】